どうもこんにちは岡本です。
前回は「FANATEC Club Sport DDいいんじゃね?」というブログ記事を書きましたが、SIMVOX開設後に最も伸びた記事となりました。
SIMVOXではレースシムのニュース記事やデバイス情報などもアップしているんですが、読者の方にとっては、前回のようなブログ記事の方が価値のある情報として認識されていることを裏付けてくれる記事となりました。
そもそも日本のレースシムコミュニティでは最新ニュースを受け身で得るのではなく、自分で英語圏のニュースに飛び込んでいく層が十分多いような気もするので、一般的なニュース速報には価値がないのかもしれないですね。
ブログ記事に興味を持って読んでくれることは嬉しいのですが、ニュース記事も見てもらえるように頑張っていきたいと思います…!
ということで、今回のブログ記事は「【2024年決定版】レースシム環境を国内通販だけで予算別に考えてみた。」予算別にみなさんにおすすめのレーシングシミュレーター環境の構成をお伝えしていきたいと思います。
実は数年前に個人のブログをやっていた時も、この予算別におすすめ系の記事は結構注目してもらうことができまして、いろんな反応をもらったことをよく覚えています。
でもまあ、もう数年も前の話になってしまい、その当時と今では、レースシムデバイスの充実度や機能性、もはるかに進歩していると思います。
ですので今回は改めて、レースシムを始めたいと思っていたあの時の自分、に向けて記事を書くようなつもりで、予算別におすすめのレースシム機材環境を考えて「2023年決定版」としてみなさんにも共有できたらと思っています。
ダイレクトドライブ&ロードセル黄金時代
予算別におすすめな機材をご紹介する前に、ちょっと軽く日本におけるレースシムデバイスの歴史と現在の状況について整理しておきたいと思います。
数年前レースシムで遊びたいと思い色々な機材を調べていた時には、まだ世の中にはダイレクトドライブのハンコンが一般的ではなく、家庭用のハイエンドなデバイスでもFANATECのClub Sport Wheelが頂点とされていました。
以前は、ダイレクトドライブ(OSW)を構成するためにはいくもの障壁があり、ユーザー間で情報を共有しながらダイレクトドライブ実現に向けて有志の方達が働きかけてくれました。
しばらくすると、Simucubeのおかげで家庭用でも気軽にダイレクトドライブを構成できるようになってきて、現在では各デバイスメーカーがダイレクトドライブのハンコンをこぞって出すような状況にまで変化しています。
当時はSimucube一強といった感じでしたが、大手デバイスメーカーのFANATECや、最近では、Logitech、Thrustmasterまでもがダイレクトドライブのハンコンを一般家庭向けにリリースしており、さらにはアジア系のメーカー参入により低価格化も進み、まさにダイレクトドライブ黄金時代にあると感じています。
そのおかげで、ユーザーにとっては高品質なFFBを出力するダイレクトドライブの選択肢が増えてきて自分にあったものを熟考して選ぶことができます。
この一連のムーブメントはダイレクトドライブだけではなく、ペダルに関しても同様の道筋を辿ってきているように感じます。
ペダルに関しては、ロードセルセンサーを搭載したペダルがいろんなメーカーからリリースされることになり、まさにピンからキリまで様々な価格帯のペダルとスペックを持ち合わせたものを自分で選ぶことができます。
しかし、残念なことに、ダイレクトドライブもロードセルペダルもいまだに日本製国産メーカーが参入することはなく、レースシムファンはいまだに海外製のデバイスに頼ることになっています。
これはやはり日本のレースシム市場規模が海外と比べるとまだ小規模であるということがうかがえると同時に、国内大手メーカーの関心の低さを示していると思います。
一方で、日本のレースシムの発展は全く進歩していないかと言われるとそうではなく、海外の高品質なレースシムデバイスを正規代理店として扱ってくれるメーカーがいくつか出てきたという嬉しい側面もあります。
さらにはユーザー間の情報共有もより強化されてきているように思いますし、個人ユーザーのブログや動画チャンネルも活発化してきているように感じます。
SIMVOXもデバイスの選択肢やユーザー間の情報共有が活発化してきたことに乗じて、レースシムファンに向けて情報を発信していけたらなと思います。
そんなこんなで前置きが長くなってしまったのですが、つまるところ現在は、高品質なデバイスを国内の代理店さんの通販サイトで気軽に入手できる時代になった!ということをみなさんにお伝えしておきます!
おすすめのレースシム環境
ということで、おすすめしたいレースシム環境をみなさんにお伝えしていくのですが、前述したとおり「レースシムを始めたいと思っていたあの時の自分」に向けてっていうのをテーマにしていますので、今回は国内通販で購入可能なデバイスのみに絞っていきたいと思います。
レースシムデバイスは基本的には海外製のものがほとんどなのですが、最近では国内代理店メーカーの取り扱いが増えてきており、家庭用デバイスであればだれでも気軽にデバイスを入手できるようになってきました。
代理店さんの通販サイトを参考に、みなさんにおすすめできるデバイスとショップリンクも合わせて紹介していきます。
今回は、コックピット、ハンコン、ペダル、の3つでご紹介していきますので、基本的にはこの3つとあわせて、あとはご自身でゲーミングPCもしくはゲーム機、ゲーミングモニターを準備していただければレースシムがプレイできる環境が揃います。
価格情報に関してはセールなどを開催していることもありますし、送料は除外して記載しておりますので、参考価格として認識しておいてください。
予算10万円以内
コックピット:Next Level Racing GT-Lite ¥27627
実際におすすめのコックピットを考えるにあたって、まず感じたことは10万円以下でレースシム環境を考えるのは難しい!
そんな中でも、安価なコックピットを探していたのですが、Next Level Racingより発売されている、「GT-Lite」というコックピットが汎用性が高くて良さそうです。
このコックピットの特徴は折り畳みが可能という点で、コンパクトに収納することができます。
さらに、折りたたみという機能を持たせながらフレーム自体がシンプルでバケットシートを使用していないという点からもコストを抑えてコックピットを構成することができます。
また、ハンコンベースも様々なメーカーの取り付けに対応しています。
心配な点は、この手の非バケット折りたたみタイプのコックピットは剛性面での不安があり、高トルクなハンコンやロードセルペダルを使用している場合は、プレイ中に振動でコックピットが動いてしまったりなどしてしまうかもしれないです。
ハンコン&ペダル:MOZA R5バンドルSET ¥76800
ハンコンは入門デバイスとして、LogitechのG923やThrustmasterのT300RSなどがありますが、本格的なレースシム環境を構築するならDDを入れたいところ…
10万円という限られた予算のなかでDDを選択するにはかなりデバイスが絞られてしまいますが、MOZAのR5のバンドルセットであれば、MOZA R5ハンコン+SRP2ペダルまで手に入るためかなりおすすめできます。
MOZAのR5は5Nmトルクを発生し初心者向けのDDと言えますが、コックピットをGT-Liteで組む場合はこの程度のトルクでないと、いずれにせよコックピットの剛性がボトルネックになると思います。
つまり、10万円以下で5Nm以上のトルクをハンコンに求めることは現状難しいと思います…
あと、「GT-Lite」に取り付けるためには、MOZAから一緒に販売されている「MOZA R5 & R9 Table Clamp」というテーブルクランプも購入する必要があります。
こちらは¥9800で購入できます。あれ、10万円オーバー.…??
予算10万円以内まとめ
予算10万円以下といことで、色々と調べてましたがやはり選択肢はかなり絞られてしまいますね…
そんな中でも、この「GT-Lite」と「MOZA R5バンドルセット」は予算内で最大限のレースシム環境になるのでは…?
それで、この構成に関しては、予算10万円以下といいながらも10万円を少しだけオーバーしており、今回の記事でご紹介するかどうか迷ったのですが、シムデバイスの代理店であるMilestoneのショップページで、上記のセットをまとめて購入すると10万円以内に収まるように価格設定がされており、バラバラで購入するよりもお得に購入することができます…!!
商品リスト
カテゴリ | 商品名 | 価格 |
---|---|---|
コックピット | Next Level Racing GT-Lite | ¥27,627 |
ハンコンセット | MOZA R5バンドルセット | ¥76,800 |
その他 | MOZA R5 & R9 Table Clamp | ¥9,800 |
合計 | ¥114,227 |
予算25万円以内
コックピット:STRASSE SPEED MASTER RF ¥84,800
次に予算が少し増えて、25万円以内でコックピット構成を考えてみます。
コックピットにはストラッセ製のSPEED MASTER RFがアルミフレームの剛性もカスタマイズ性も優れたものとなっていておすすめできます。
類似品のTrack RacerのTR80-LITEという選択肢がありますが、少しでも安く抑えたいということも念頭に入れて、ここではあえてこちらのアルミフレームコックピットをご紹介します。
逆に少しコストをかけても良いという方にとっては、TR80-LITEにいっても全然良いと思います。
両者ともアルミフレームコックピットとなっておりますが、ストラッセにはシルバー、Track Racerはブラックというカラーを選択できます。
僕なら正直Track RacerのTR80-LITE買うかも…こっちのほうがかっこいいし…
ハンコン&ペダル:CAMMUS LP8 バンドル ¥138,000
予算が25万になるとハンコンの選択肢が少しだけ拡がります。
その中でも、CAMMUS LP8 バンドルセットを購入すれば、最大トルク8Nmのハンコンとステアリングリム、そして3ペダルもセットでついてきますので、かなり本格的なレースシム環境を構築できると思います。
こちらのCAMMUS LP8バンドルセットの特徴としては、モーターが8Nmのダイレクトドライブ、そしてペダルが最大100kgのロードセルペダルがセットになっていることです。
100kgのロードセルペダルは、ハイエンドなペダルと引けを取らないほどのスペックとなっており、アルミフレームのような高剛性なコックピットでないとブレーキを踏んづけたパワーを受け止めきれないほどです。
予算25万円以内まとめ
ここくらいまで予算が増やせると一気に本格的なレースシム感のあるコックピットを構築できますよね。
正直、予算10万円と25万円とでハンコンやコックピットのスペックに大きな差がありますので、10万円で組もうとするくらいなら、もう少し頑張って25万円台まで予算が増やせると一気にコクピ環境が跳ね上がります。
商品リスト
カテゴリ | 商品名 | 価格 |
---|---|---|
コックピット | SPEED MASTER RF | ¥84,800 |
ハンコン | CAMMUS LP8 バンドル | ¥138,000 |
合計 | ¥222,800 |
予算35万円以内
コックピット:Track Racer TR80-LITE ¥89,800
予算が35万円ほど準備できると、ハイエンドなデバイスでハンコン、ペダル、シフターまで追加してレースシム環境を揃えることができます。
コックピットでは上記でも触れた、Track Racer製の「TR80-LITE」がおすすめできます。
TR80-LITEはアルミフレームとなっており、ストラッセ製のものと似ているところが多いのですが、TR80-LITEの方がオプションパーツが豊富であるということと、標準でシフターも取り付け可能になっているという点からもこちらの方がおすすめできます。
アルミフレームなので剛性はもちろん汎用性も高いですし、Track Racerはブラケット類なども統一感があって色もブラックですしかっこいいです。
ハンコン:FANATEC Podium DD1 ¥133,600
言わずと知れたFANATEC製のダイレクトドライブです。
DD1も間違いなくハイエンドなダイレクトドライブであると言えるものですが、ここまで予算が増やせるとその他のダイレクトドライブも含めて選択肢がグッと拡がります。
他メーカーでも似たようなスペックでおすすめできそうなダイレクトドライブはあるのですが、DD1はユーザー数の多さやトラブルシューティングのしやすさなども含めて、初心者の方にはおすすめできるハイエンドデバイスとなっています。
今後、FANATECから、ClubSport DDという新しいダイレクトドライブもリリースされる予定なのですが、こちらは最大トルクはDD1よりも弱いものの、FFBのクオリティが洗練されたものとなっており、こちらのClubSport DDも選択肢に入れても良いかもしれないです。
ペダル:FANATEC CSL Elite ¥39,900
FANATECのペダルには、ClubSport、CSL Elite、CSLという3つのペダルがありますが、一番ハイエンドとされているClubSportは数年前に発売されて以降、大きな変更などもなくずっと販売されているものとなっており、後発で出てきたミドルエンドなCSL Eliteの方が、フィーリングが良いと感じる部分もあります。
ClubSportを買うくらいなら、他のメーカーのハイエンドなペダルを選択肢に入れた方がいい気がするので、今回はCSL Eliteをおすすめします。
シフター:FANATEC Club Sport Shifter ¥28,900
なんとシフターまで揃えれちゃいます。
FANATECのClubSportが追加可能で、とりあえずシフターはこれを買っとけば絶対に間違いないといえる代物です。
ステアリング:FANATEC Formula v2.5 ¥48,600
ステアリングは個人のレースシムスタイルに合わせて購入する、で良いと思います。
今回はレーシング部門を想定してFormulaスタイルのステアリングをご紹介します。
でも、たとえばドリフトメインな方や、ラリーメインな方の場合は、FANATECに丸型ステアリングもたくさんラインナップされているのでそちらを選ぶのがおすすめです。
予算35万円以内まとめ
ここまで予算が増やせるとハイエンドなデバイスで揃えることができますね。
これらのデバイスに合わせて、ハイエンドなゲーミングPCとモニターを組み合わせることを考えてもなんとか100万円以内では収まりそうですよね。
今回はFANATECオンリーの構成となりましたが、やはり初心者利用を想定すると、FANATECのエコシステムをおすすめしがちです…
ブラケット類のスタンダードにもなっていますし、変わり種なデバイスを使うよりも安心して使用することができそうです。
商品リスト
カテゴリ | 商品名 | 価格 |
---|---|---|
コックピット | TR80-LITE | ¥89,800 |
ハンコン | DD1 | ¥133,600 |
ペダル | CSL Elite | ¥39,900 |
シフター | ClubSport | ¥28,900 |
リム | Formula v2.5 | ¥48,600 |
合計 | ¥340,800 |
上級者編:予算40万円くらい
コックピット:自作アルミフレーム ¥???
最後に、上級者編ということで、予算をあまり考えずに理想のコックピットを考えてみました。
まずコックピットは自作でアルミフレームを構成することをおすすめします。
最近は上記でもご紹介したストラッセやTrack Racerなど既製品のアルミフレームコックピットが増えてきましたが、自分でアルミフレームを構想して作ることもできるのでおすすめです。
既製品と同じような構成で購入するとお得に買えることがほとんどですし、既製品よりも洗練させて作ることもできます。
たとえば、こちらは僕が実際にコックピットフレームとして設計してみたものなのですが、使用するデバイスや寸法がわかっているので、既製品よりも無駄がなくコンパクトで剛性もUPさせることができます。
自分でバケットシートを用意したり、モニタやシフターのブラケット類を考えなければいけないという面倒さもありますが、その分、自分の部屋やデバイスに完璧にフィットさせたものを作ることができるので、もしやる気のある方は自分でアルミフレームを構成するのがおすすめです。
もし面倒であれば、Track Racerの上位コックピットフレームもありますので、それのフルオプションとかを買ってしまえば値段はそれなりにかかりますが満足いくコックピットになると思います。
なんせとりあえず既製品のアルミフレームコックピットはTrack Racerがちょっと頭抜けてる感じがしますね。
ハンコン:(暫定)Club Sport DD+ ¥???
ダイレクトドライブはSimucubeという選択肢もあるのですが、現在はClubSport DD+の存在が無視できないです。
あとSimucubeを選択した場合、ステアリングリムの選択肢としてFANATEC製の物を選ぶことが難しくなるので(社外製コンバーションキットを組み込まないといけない)、FANATEC製のダイレクトドライブを選ぶ方が少ないコストでそれなりに良い物が構成できるんじゃないかと思います。
Simucubeの場合クイックリリースのことも考えなきゃですしね。
なので、予算がかけれるとしてもとりあえずダイレクトドライブとステアリングリムの組み合わせはFANATEC製で固めてしまったほうが楽かもしれないです。
MOZAのハイエンドDD&MOZAステアリングリムという選択肢もありますが、もしあなたが1ミリでもコンシューマー機をやりたいという想いがあるのであれば、ClubSport DD+一択という選択になると思います。
ペダル:Heusinkveld SPS ¥98,000
Heusinkveldのペダルが国内代理店でも気軽買えるようになっていたとは…
ハイエンドペダルの代表格Heusinkveld製のSPSがおすすめです。
ペダルはとりあえずこれ買っとけば間違い無いです。
シフター:FANATEC Club Sport Shifter ¥28,900
シフターはFANATEC ClubSportがやっぱりおすすめですね。
MOZAの選択肢もありますが、シーケンシャルも使えるClubSport Shifterはかなり有能ですね…
ただし、FANATEC製のホイールベースを使用しない場合は、USBアダプターを購入する必要があるので気をつけてくださいね。
ステアリング:FANATEC Formula v2.5 ¥48,600
ステアリングは上記と同様、FANATECにはフォーミュラ以外にもありますのでそちらもおすすめです。
上級者編まとめ
これらのハイエンドデバイスを合計しても大体40万円ほどとなっておりまして、ゲーミングPCとモニター次第ですが、100万円以内には収まりそうですよね。
自作アルミフレームコックピットに関してはまた別記事でご紹介できればと思います。
商品リスト
カテゴリ | 商品名 | 価格 |
---|---|---|
コックピット | 自作コックピット | 約¥100,000 |
ハンコン | Club Sport DD plus | 未定だが約¥130,000 |
ペダル | Heusinkveld Sim Pedals Sprint | ¥98,000 |
シフター | ClubSport | ¥28,900 |
リム | Formula v2.5 | ¥48,600 |
合計 | ¥405,500 |
総括
以上、予算別でおすすめできるデバイスをまとめてみました。
さらに今回は、国内の代理店で入手できるデバイスのみに絞ってご紹介してみました。
こう見ると、少し前はハイエンドなデバイスは自分で輸入しないと入手できませんでしたが、現在は国内の通販で大体のデバイスは入手可能!
もし、もっとハイエンドなデバイスなどが気になった場合はぜひ海外の通販などもチェックしてみてください。
クイックリリースやブラケット類も豊富ですし、レースシム環境をグッと増強できるアイテムも見つかるかもしれません。
最後まで見ていただきありがとうございました!