GTRevivalの開発者であるIan氏から、自身の公式X(エックス)にて興味深いポストがなされました。
その内容はGTRevivalの「レンダリング」に関する内容でした。
My current thoughts on us using Unreal as a render.
Nanite can be used as a ‘crutch’, so no LOD work needed and the system will do the work for you. I don’t subscribe to this ethos because any system doing ‘anything’ is a CPU overhead. Nothing is free, ever. Good old quality…— Ian Bell (@bell_sms) October 14, 2023
1. Ian氏のポスト内容
Ian氏
「My current thoughts on us using Unreal as a render. Nanite can be used as a ‘crutch’, so no LOD work needed and the system will do the work for you. I don’t subscribe to this ethos because any system doing ‘anything’ is a CPU overhead. Nothing is free, ever. Good old quality modelling and LOD work is always going to be the way forward. Lumen is an excellent bounce GI system that works with reasonable overhead. But the second you increase the distance or the count you run into computational overhead issues (understandably so). My feeling at the moment is that if we stick with Unreal for the render we’ll make use of Lumen for close proximity GI and use dynamic 6 way emapping for more distant images. We’ll use the back buffer for the flip trick on bonnet and roof cams (tiny overhead and great results). In fact, pretty much what Forza Motorsports are doing. My hope is that we’ll do it a little bit better/more efficiently.」
2. Forza Motorsportsに似たレンダリング手法へ?
Ian氏のポストの内容は、Unreal Engineを使用したレンダリングに関する自身の考えについて述べています。
Ian氏は、レンダリング手法はNaniteを使用することで、LOD(Level of Detail)の作業が必要なく、システムがそれを代わりに行うことができますが、この考え方に賛成していないようです。なぜなら、何かしらのシステム(Nanaite)が何かを処理することはCPUに負荷をかけることになるからで、メリットばかりではないと考えているようです。
さらにLumenは、合理的な負荷で動作する優れたバウンスGI(Global Illumination)システムであるが、距離やカウントを増やすと計算上の負荷問題が発生する可能性があると述べています。
現時点でのIan氏の考えは、Unreal Engineをレンダリングに使用し、Lumenを近距離のGIに利用し、より遠距離のイメージに対してはダイナミックな6方向エンバップ(Emapping)を使用することが最適であるとしています。
また、ボンネットとルーフカメラにフリップトリック用のバックバッファを使用するという計画もあります。
これはほとんどForza Motorsportsが行っていることと同じであり、Ian氏の希望は、それをもう少し優れた&効率的な方法で行うこととしています。
3. Naniteとは?
Naniteは、Unreal Engine 5の新しいグラフィックス技術の1つです。
これは、高度な三次元モデルのレンダリングと表示を向上させるために設計されました。
Naniteは、LOD(Level of Detail)を必要とせず、モデルの高解像度のデータを効率的に扱うことができます。通常、3Dモデルは遠くから見たときには詳細なデータを簡略化する必要がありますが、Naniteはこれを不要にします。
Naniteを使用することで、高品質のモデルをリアルタイムで描画し、より詳細で臨場感のあるゲーム環境を実現できます。
4. Lumenとは?
Lumenは、Unreal Engine 5のもう一つの新しい機能で、Global Illumination(GI)のための革新的なシステムです。
GIは、光が環境内でどのように反射し、影響を及ぼすかをシミュレートし、リアルな照明効果を生み出します。
Lumenは、リアルタイムで環境内の光の振る舞いをシミュレートし、光源からの影響を適切に反映します。これにより、ゲーム世界内の光がより自然に見え、リアルな視覚効果を描写します。
ただし、Lumenを使用する場合、一定の計算負荷がかかるため、遠距離や多数の光源を使用すると性能の問題が発生する可能性があります。
〆
Ian氏はForza Motorsportsのレンダリング手法を評価しており、自身もより効率化させたものを開発するとしています。
また、他にも効率的な手法がないか模索するとも述べており、今後の開発報告も楽しみですね!