もくじ
Leoxz XF1-Sportとは?
今回はSIMVOXでは初めてとなる製品レビュー記事をお届けしたいと思います。
今回は、Leoxzが制作したXF1-Sportというステアリングホイールをレビューします。
これまでLeoxzは、ハイエンドなフォーミュラタイプのステアリングホイールやダッシュディスプレイを低価格で手がけてきており、その中でもXF1-Sportは、さらに低価格でエントリー向け商品といえるような位置付けとなっています。
エントリー向けとはいうものの、ステアリングホイール自体のクオリティは高品質な印象を与えており、ステアリングにIPSスクリーンを搭載していることなど同価格帯のステアリングホイールよりもワンランク上であると感じさせます。(同価格帯でディスプレイ付きはほぼ存在していない。)
国内ではLeoxzというレースシムブランドは、まだ浸透していないというのが正直なところではありますが、筆者はたまたまInstagramのストーリーで韓国の友人が「コスパの良いおもしろいステアリングがある!」と投稿していたのを拝見し、Leoxzを知るきっかけとなりました。
LeoxzのXF1にはいくつかモデルが存在しており、今回はXF1-Sport USBという最も低価格なモデルをチョイスし、実際に使用してみましたので余すことなくレビューをお届けしていきたいと思います!
開封と同梱物
Leoxzの公式ショップページで注文を行いました。
9月6日に注文を行い、香港からUPSでの輸送の元9月15日に到着しました。
注文〜受け取りまでにかかった日数は約1週間ということで、通常の海外製品を購入する際と同様のスピード感であるといえるでしょう。
価格
かかった費用は本体代€399.95+輸送代€123.00=約¥85000、となりました。
輸送代がネックなのですが、円安の煽りを受けつつ、ディスプレイ付きでもコミコミでアンダー¥90000!!
どうしたら、この価格で商品を提供できるのかが想像できません…
同梱物
それでは開封をして同梱物をチェックしていきます。
公式サイトでも以下の同梱物が説明されています。
- XF1 Sport-USB ステアリングホイール(クイックリリースはオプション)
- USB-XS9ケーブル
- カスタムステッカー
- M3アレンキー
- ナイロンピンセット
気をつけるべきポイントとしては、クイックリリースは自分で準備する必要があるorオプションで購入するということ。
SIMUCUBEなどのホイールベースを使用する際でも、それぞれに対応したクイックリリースを準備する必要があります。
また、後ほど詳しく説明しますが、FANATEC、Thrustmaster、Simagic、MOZAのホイールベースに対応しており、オプションで購入可能なクイックリリースを装着することで使用できるようになります。
ステアリングの素材とクオリティ
次にXF1-Sportのビルドクオリティをチェックしていきましょう。
バックパネル
バックパネルは、アルミニウム素材の削り出しとなっており、また表面には黒色アルマイト加工が施されています。
サラサラとした手触りでベタベタと触っていても皮脂や指紋が付きにくい心地いい感触を得られます。
フロントパネルとパドルシフト
フロントパネルは5mm厚の3Kカーボンファイバー板を使用しています。
また、パドルシフトにも3Kカーボンファイバー板を使用しており、こちらは3mm厚となっています。
カーボンファイバーはXF1-Sportの軽さに大きく貢献しているといえるでしょう。
パドルシフトは磁気シフターとなっておりパドル操作時のクリック感は非常に気持ちが良いです、さらに追加でパドルクラッチとオプションのパドルが利用可能で、合計で6個のパドルシフトを装着することができます。
クラッチパドルはバイトポイントモード、軸モード、ボタンモードに設定できます。
すべてのパドルには非接触ホールセンサーが使用されており、耐久性に優れています。
LED
18個のRGB LEDライトはSimHubを通してカラーもパターンも自由にカスタマイズすることができます。
ディスプレイ
個人的にXF1-Sportの目玉と考えている仕様、それは4:3のIPSスクリーンを搭載していること!
同価格帯の商品でも、まずディスプレイを搭載している物は存在していませんし、480×272ピクセルの解像度と60fpsのリフレッシュレートで高画質で視認性がよく、60FPSのおかげで、シフトインジゲーターなどもヌルヌル動作します。
ダッシュディスプレイのページなどのカスタマイズは最小限で、たとえばSimHubで自分が好きなダッシュページのデザイン(MoTec風やAiM風)にカスタマイズすることは不可能となっています。
もしそういったカスタマイズを求める場合は、上位モデルとなるXF1-Proを購入することでSimHubでダッシュページを自由自在にカスタマイズできます。
とはいえ、XF1-Sportでも、ダッシュページの情報は必要最低限のラインは余裕でクリアしており、レースシムをプレイする上でほしい情報は網羅しています。
スイッチ
ステアリングのスイッチは16個装着されており、3つのプッシュ操作可能なロータリーエンコーダーが搭載されています。
スイッチの感触は短いストロークでパチパチといったCube Controlsなどと近いような感触を得ることができます。
XF1-Sportの特徴
次に、実際にXF1-Sportを使用してみたフィーリングをお伝えしていきたいと思います。
使用感
まず、実際にハンドルを手にした時に感じる印象は軽い!
ステアリングホイールの重量は軽視されがちですが、意外とシムレースにおいてはFFBに影響を与えるものです。
XF1-Sportはカーボンファイバーが使用されているパーツによって、ユーザーが手にした時の軽量感に良い影響を与えていると感じます。
ステアリングのハンドル径は275mmとなっており、フォーミュラー型のハンドルとしては一般的な大きさとなっています。
さらに、筆者が最も好感触を得たのはグリップの太さ。
レーシングシミュレーターで使用されているステアリングホイールはほとんどが海外製であるため、採用されているグリップが太めであることが多く、筆者を含め、手が小さい方や女性など細いグリップを好むユーザーは、なかなかしっくりくるものに巡り合なかったのではないでしょうか?
しかし、XF1-Sportはグリップが細めに設定されているため、握ったときに非常に手に馴染みやすく、操作がしやすく感じます。
LeoxzのXF1のグリップは、FANATECのフォーミュラステアリングシリーズよりも細めに設定されており、細め好きな筆者にとっては嬉しい仕様となっています。
その他操作感
グリップはポリウレタン製となっており、手にした時のラバー感をかなり感じます。
Cube Controlsなどの他社製ステアリングでもこのラバー感のあるグリップがかなり採用されているのですが、個人的にはこのラバーグリップというのがどうも手に馴染まないです…
特に、筆者を含めプレイ中に手汗をかくタイプの人間は、プレイしていると次第に自分の手汗でグリップがどんどん滑るようになってしまい、手汗を拭きながら走るというふうになってしまいます。
レーシンググローブをつけてしまえば問題はないかもしれないのですが、素手派でプレイする方にとっては、ラバーグリップよりも、FANATECのフォーミュラステアリングようなアルカンターラ系のグリップの方が滑りにくいのではと思います。
やはりLeoxz XF1-Sportもラバーグリップということで、長時間走っていると次第に自分の手汗で滑ってきてしまいました。
できれば、アルカンターラ製グリップもオプションで用意してくれていたら嬉しかったですね…
ボタン配置に関しては、ステアリングのフロントパネルにめいいっぱい敷き詰められており、かつ押し間違いなどが起きづらい丁度良い間隔で配置されています。
特に、気になるところもなくiRacingなどスイッチがあればあるほど便利なシーンでも問題なく使用できそうなのですが、唯一ケチを付けるなら、グリップを握った時に一番親指に近くなる水色のサムノブが、親指と干渉気味な気がします…
普通に走っている分には全く問題ないのですが、急いでカウンターステアを当てる際などに、自分の親指がサムノブに接触してしまうことがあります。
どちらかというと手が小さめである筆者でさえ、接触してしまうということは、もう少し手が大きめの方が使用したら干渉の問題がより浮き彫りになるような気がしています。
ボタンスイッチ類のクリック感はショートストロークでパチパチとすた音を立てながら押すことができます。
XF1-Sportの目玉であるディスプレイはかなり鮮明で見やすいです。
LEDとディスプレイがSimHub(※有料版)の60FPSに対応していることによって、すべての動作がヌルヌルと動いていて気持ちがいいです。
動作の遅延感などもほぼなく快適に使用することができます。
残念なのは、前述でもお話しした通り、SimHubを使って自分の好きなディスプレイデザインにカスタマイズすることができないということ。
XF1-SportではLeoxzの公式が配布しているSimBridgeというSimHubのプライグインを使用することで、SimBridgeの箱の中でできる範囲のカスタマイズのみが可能です。
ただ、SimBridgeでカスタマイズできる内容でも十分すぎるものとなっており、たいていのシムレーサーは不自由な思いをせずに利用できるのではないかと思いますし、LEDの点灯パターンなども自由にカスタマイズできるのでそれなりには自分好みにカスタマイズ可能です。
接続と互換性
PCとの接続方法に関してですが、今回購入したXF1-SportはUSB版となっており、USBでの有線接続にのみ対応しています。
XF1-Sportの方では、Bluetooth接続(USB+Bluetooth)にも対応しており完全無線での接続も可能となっております。
USB版とBluetooth対応版とで、それぞれ微妙に仕様が異なるのですが、ほとんどできることは変わらないです。こちらでそれぞれのモデルを比較することができます。
ハードウェアの互換性
XF1-Sportはクイックリリースを仕様して各ホイールベースに接続することができます。
気をつける点は、各メーカーのホイールベースにXF1-Sportを接続するだけですべての機能(パドルシフト、スイッチ入力など)が利用できるようになるわけではなく、単純にXF1-Sportがホイールベースに付くだけです。
パドルシフトやディスプレイなど、全ての機能を利用できるようにするには、USBで有線接続をしてあげることで、通常通り使用が可能となっています。
また、FANATECのホイールベースの場合はFANATEC以外のステアリングを使用するとFFBを発生させない仕様となっていますので、XF1-Sportの中にある7ピンインターフェースに接続することによって、トルク出力のロックを解除することができます。
以下のホイールベースに接続可能です。
- 70mmクイックリリース
- Simucube SC1, SC2
- Fanatec DD1, DD2, CSW, CSL DD, DD Pro
- Simagic Alpha, Alpha Mini
- Moza R16, R9, R5
- Thrustmaster T300, T500, TX, TS-XW, T-GT, T-GT II,TS-PC
もちろんPCD70mmの取り付け穴もホイール側に用意されているので、市販のクイックリリースはほぼ装着可能です。
PS4とPS5での使用
XF1-SportはPS4とPS5でも使用することができます。
専用のドングルを接続して、FANATEC DD Proを使用した場合にのみグランツーリスモ7に対応させることができます。
プレステーション上の GT7 から 2.4G WiFi を介して、速度、RPM、スロットルとブレーキの入力、燃料消費量、タイヤ温度などのテレメトリ データを取得することができます。
この場合はUSB接続を必要とせずに、ステアリングホイールをワイヤレスモードで使用できるようになります。
ドングルについてはこちら
良かった所&悪かった所
以上がXF1-Sport USBのレビューとなります。
最後に良かった所と悪かった所の両方をまとめて〆とさせていただきたいと思います。
良かった所
- ディスプレイ付きのフォーミュラステアリングの中では神コスパ
- 製品のクオリティが高い
- ディスプレイ&LEDの表示が60FPSでヌルヌル
- グリップが細い
- スイッチが多い
- LEDカスタマイズ可能
悪かった所
- グリップが滑りやすい(素手使用)
- 親指にサブノブが接触する
- SimHubで自分の好きなダッシュデザインに変更できない
最後までご覧いただきありがとうございました。
XF1-Sport USBのショップページ↓
https://www.leoxz.com/products/xf1-sport-usb